基準は次の観点・視点から設定しました。
農産物(青果物・穀物・茶)
・安全で安心な農産物の生産、供給を担保するために、生産現場において、土壌、水、農薬や肥料、病原性微
生物、化学物資などから発生する様々なリスクを検討し、生産物の安全性を確保するGAP(農業生産工程管
理)手法を基本としました。
・基準項目は、JGAP(*1)管理点と適合基準 青果物・穀物・茶 2016(平成28年9月発効)を引用し、
さらに島根県オリジナルの項目を追加して設定しました。
(令和4年に策定された「国際水準GAPガイドライン(*2)」に準拠するように改訂を加えています。)
・美味しまね認証の取得をお考えの方や、認証取得支援を行う指導者の皆様に指導手引書(農産物)を作成
しました。美味しまね認証制度の中の“GAP”の意義や具体的な導入手法などを詳細に記載しています。
・また、認証取得における参考として、様式事例集[PDF版]を準備しております。この様式を参考に、
ご自身にあった様式をお考えいただき、ご活用ください。
畜産物(鶏卵・肉用鶏・肥育牛・肥育豚・生乳)
・安全で安心な畜産物の生産、供給を担保するために、生産物の安全性確保(食品安全)、生産基盤への配慮
(環境保全、家畜衛生、アニマルウェルフェア)、働く人への配慮(労働安全、人権の尊重)について実践
を目指すGAP(農業生産工程管理)手法を基本としました。
・農業生産工程管理(GAP)や農場HACCP等の取り組みを参考として島根県オリジナルの項目を追加
し、消費者に安心して選んでもらえる基準を作成しました。
・JGAP管理点と適合基準2017、畜産2022-2(令和6年1月発効)を引用し、畜産物共通の基準として設定し
ています。
・飼料米やえごまを一定割合以上配合した特色ある飼料を給与された鶏から生産された鶏卵を、「こめたま
ご」、「えごまたまご」として認証しています。
林産物(生鮮きのこ・乾燥きのこ)
・安全で島根らしいきのこの生産のため、
1.農薬使用時の適合基準を満たしていること
2.国内の木を使用していること
3.使用する水は重金属含有量が県の設定する基準値以下であること
など、他産地と比較してより安全性の高いきのこ生産を目指した基準としました。
・JGAP管理点と適合基準2016青果物(平成28年9月発効)を引用し、設定しました。
水産物(生食用イワガキ・内水面養殖魚)
【生食用イワガキ】
・安全・安心なイワガキを生産するために、主に「隠岐のいわがき衛生管理マニュアル」※から生産工程の
管理すべきポイントを抽出して、生産から出荷までの安全管理に係る認証基準を設定しました。
※隠岐のいわがきブランド推進協議会及び島根県で策定
・具体的には、ノロウィルスや大腸菌、腸炎ビブリオ等による健康被害の発生を防止するため、適切な養殖
漁場の選定や水揚げ後のイワガキを適切な処理、さらに、出荷するイワガキについては、ノロウィルス及び
大腸菌の定期検査を行い、基準値を超える数値が確認された場合には、出荷の自粛対応を行うことなどが
規定されています。
・また、養殖生産活動の社会的責任、販売管理、環境への配慮・生産者の安全なども認証基準としています。
【内水面養殖魚】
・安全・安心な養殖魚を生産するために、生産現場から生産工程の管理すべきポイントを抽出して、生産から
出荷までの安全管理に係る認証基準を設定しました。
・具体的には、養殖生産工程の詳細な記録や、養殖魚の健康状態を確認し、魚病の疑いがあった場合は直ちに
専門機関の診断・指導を受けて適切な処置、さらに、医薬品を使用した場合の出荷前医薬品残留検査を実施
などが規定されています。
・また、養殖生産活動の社会的責任、販売管理、生産者・労働環境の管理、環境への配慮なども認証基準とし
ています。
*1 JGAP:一般財団法人日本GAP協会が策定しているGAPです。国内ではレベルの高いGAPの一つと言われてい
ます。
*2 国際水準GAPガイドライン:輸出拡大等により国際的な農産物取引が増加していることを踏まえ、国際水準
相当の農業生産工程管理(GAP)の取組事項として国が提示したものであり、食品安全や環境保全、労働
安全、人権福祉、農場経営管理の5分野に関する法体系や諸制度等に則しつつ、農業生産活動において、特に
実践を 奨励すべき取組を明確化したものです。